深夜のビルのバルタン



今回は模型の写真と3DCGの合成を違和感なく行う事にチャレンジ。制作物としては、怪獣アート画のようにまとめてみた。


この模型の写真が元。かなり適当にスマホで撮った一枚なのだが、目のLEDの発光具合がちょうどよかったので採用。撮影時の情報は (このブログ記事を買いた後に判明したが) オートお任せモードで、スマホカメラのレンズは焦点距離24mm(35mm版換算)の広角。

その写真を切り抜いて、3Dソフト上のカメラの背景(イメージプレーン)として設定。足元の赤いの枠はカメラとの画角を目合わせするためのもの。=元の写真の正方形の台座部分のアウトライン。周りの円柱は不自然なく3Dオブジェクトと合成できるかパースを確認するためのもの。

カメラからの目線にして、床に置いた正方形のポリゴンとその赤枠が重なる様、カメラの画角と角度を合わせる。3Dカメラの画角設定は50〜60度近辺となった。(スペック値の焦点距離24mmに厳密に合わせると画角73.74度にするのが正しいが画角は見た目でいいかんじに合わせるので。)

色々やっていたので、上までの状態と細かい部分も結構変化しているが、大まかには、星人の身長を50メートルとしてそれにあうように3Dフリー素材サイトから落としてきたビルをいい感じの見た目になる様に配置している。ここで星人の写真は実際にレンダリングさせないので、ただのガイドとなる。ライトは3灯で1つは環境光的な天球ドームライト。2灯目はディレクショナルライトで方向は模型の写真と違和感が無い方向とした。

もう1灯は、この画像で赤い丸となっているメッシュライトで星人の目の光を再現。2灯配置してもいいのだが、あまり見栄えが変わらないので1灯とした。そして、5分で作ったこの適当すぎる星人のモデルは、やはりレンダリングしないのだが、ディレクショナルライトからの影をビルに落とすためのもの。および目の光が星人の後方を照らさない様にするためのもの。このモデルのおかげでぐっと合成の違和感が減った。

以上のものを星人の前後で2枚に分けてレイトレースでレンダリングをかける。UV・テクスチャ作業は行わずこの後のフォトショップ側で書き足す。深度情報、法線情報などのレンダリング画像は今回使わなかった。


後継と(実際は1920x1080pxのフルHDサイズ。)


前景。星人のレンダリングはないが、ダミーモデルの影がビルに落ちている。


模型写真を挟み込んで、前景のビルのみレンガやビルの汚れなどテクスチャを乗っけて、柵や室外機などを手書きで書き込んだ状態。他はこの後色彩調整で暗く潰してしまうので手をつけない。星人の大きさは初マン第二話のようにビルの隙間から突然現れる感じにしたかったので(こいつは2代目なのでキャラ違いだが)3Dモデルのレイアウトよりかなり大きくしたが、パース的な違和感はなかった。大きくしたら胴体が短いのが目だったので、適用に延長した。(模型の状態でも1mmほど延長してはいるのだが。)
絵としてはビルの窓の光を入れたくなったが、光関連は3Dモデル側で設定してシミュレートした方が早くていい結果になると思ったので、今回は居住区でないという設定という事にでっちあげてなしとした。似た様なビルばっかりなのとあわせて次回の課題。



そして色彩調整などで色々手を加えるとこの様な感じに。いいきなりだいぶ変わってしまうが、ポイントを説明すると


    * 色味・コントラストを模型写真と3Dオブジェで合わせる。影を強くしてドラマティックに仕上げる。
    * 特に後景や下方の細かい部分を暗くして潰す。
    * 星人の左側と下側をシャドウなどで暗くする。3Dライトに合わせる。
    * 奥行き空気感を出していくためと、減った情報量を補うために、合成感を減らすためにもやを多様。
    * 目の光を強くして、ハサミ部分への照り返しを加筆。別実物写真をリファレンスに。
    * 目の光がもやに乱反射してるようなライトを重ねる。
    * 全体に粒子ノイズをのせて情報量を増やし、CG感を消す。
    * ヴィネット(黒枠)を乗っけて雰囲気をだしつつ、周辺の手抜き感を消す。


と、とにかく情報量が足りない部分と模型とCGのキワ部分にモリモリといろいろ乗っけて、のっぺり感と合成感を消していく作業をした。汚れや粒子感を出すのに、ノイズ機能ではなくコンセプトアート系のブラシで手書きにすると手抜き感でなくていい。モヤは雲模様描画からリピート感ない感じに切り出してつかったが、ここも次回は手書きしたい。こういうのは3Dでやらない方が早い。ここに文字を乗っけて完成とした。

次回は写真をCG合成前提で撮影するのもやってみたい。(が取り置きの模型写真がいろいろあるので先になるかも。)制作物としては、逆光&強めの光源&暗闇&モヤモヤ空間、というシチューションは失敗しづらくて良いが、こればっかりにならないようにしたい。


その他発掘された作成した模型写真。


完成までなぜか5年かかったこの模型、胴の気持ち延長とエアブラシ塗りにちまちま1年、足の模様をどう描くかなやんで2年、結局色鉛筆、目の発光をどのように作るか悩んで2年、結局ちょうどいいLEDをはめこんだだけ、電飾はやっつけのまま、はては現在は手足が折れて修理中。




The 特撮Collection 二代目バルタン星人

キットはこれ。(Amazonアソシエイトリンクです。)

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